ブレインストーミング 2つの重要事項と4つのルール

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当ブログ記事ではブレインストーミングの際に重要な2つのこと、知っておくべき4つのルールについて説明します。

ブレインストーミング 2つの重要事項と4つのルール

「ブレストってよく聞くけど、どうやればベストなのか」
「新規事業をみんなで考えよう、と会議室に集まってブレストしたがうまくいかない」

そんな状況に心当たりがある人は当記事にてブレストのやり方をおさらいし、さらにKJ法を同時に実施することをお勧めします。

またデザイン思考のフレームワークにおけるアイデアの発散と収束の段階において、このブレストとKJ法は相性がいいことで有名です。
デザイン思考に沿った開発フローを進める場合は必ず抑えておきましょう。

ブレインストーミング(以下ブレスト)の実施は一人でもいいのですが、多人数の方が効果が大きいので、今回は複数人で進める前提で話します(一人の場合でも同じようにした方が効果的です)。

ブレストを実施する際に2つの重要なこと、および4つのルールがあるので、事前にメンバーで共有しておきましょう。

ブレストを実施する際に重要なこと

  • テーマは具体的に設定する
  • 発想の着眼点を知っておく
  • 4つのルールを共有しておく


ブレストの目的は
「できるだけ多くの意見・アイデアを出してメンバーとそれを共有すること」
そして、
「共有したアイデアからさらに新しいアイデアを導き出すこと」
です。

一方でしっかりとテーマを狙った上で開始しなければ、掴み所のない議論になってしまうので、テーマは具体的に設定しましょう。

「わが社に有利なイノベーションを起こすにどうすればいいか」
「流行りのAIを使った新規事業を考えよう」
といったような「ふんわりしたテーマ」設定はNGなので注意しましょう(上司からこのような指示を受けたら、先にその上司と二人で議論の方向性や具体性を詰めましょう)。

また発想の着眼点を事前に共有しておくと効果的です。

色や材質を変える、数量を変える、大きくする、強くする、などなど、視点の転換方法について参加メンバーにて事前に共有しておくことをお勧めします(別記事で紹介するTRIZやオズボーンのチェックリストなど)

ブレストを実施する際に重要なルールが4つあります。

  1. 質よりも量を重視する
  2. 他人のアイデアを否定しない
  3. 心理的安全性を確保する
  4. 集めたアイデアを整理する

それぞれについて見ていきましょう。

質よりも量を重視する【ブレストのルール1】

最も重要なのが「アイデアの質よりも量を重視する」ことです。

つまりアイデアの数をたくさん出すことが大切です。

使えそうなアイデアを出すことにこだわらなくても、出たアイデアがメンバーの発想に刺激を与えて、さらに異なる発想を引き出す効果、つまり自由連想する効果があるためです。

つまり共有するメンバーの更なる発想を促す効果も見込んでいます。

参加者の頭の中にはそれぞれ異なる知識・記憶の繋がりが存在し、木の枝のように張り巡らされています。

アイデアをたくさん出すことによって、メンバーの個々の発想の違いによる新しい着眼点やアイデアが生まれる可能性が高くなります。

出たアイデアは付箋に書いてみんなが見えるように貼っていきましょう。

他人のアイデアを否定しない【ブレストのルール2】

「他人のアイデアを否定しない」ことの目的は2つあります。
一つは、ルール1の「質よりも量を出すため」であり、もう一つはルール3の「心理的安全性を確保するため」です。

メンバー間の自由連想をたくさん導き出すためには出たアイデアを否定せずに、そこから次のステップへアイデアを進めます。

もしも若手が突拍子もない意見を言った場合は、「それは違う」と否定せずに、
「そんな視点もあるんだね、それなら□□という案もあると思うけどどう思う?」
といった具合に方向性を示すように提起しましょう(否定してシャットダウンするのではなく、意見の方向性を変えてあげる)。

否定しないことによってルール3の心理的安全性が確保されます。

心理的安全性を確保する【ブレストのルール3】

イノベーションや開発の場面における「心理的安全性の重要性」については、とくにこちらの本に詳しく説明されています。 → 書籍「恐れのない組織」心理的安全性が学習・イノベーション・成長をもたらす

お互いに信頼関係や心理的安全性が確保されていない場合、自発的な発言や行動が控えられたり、反対意見が言えなくなったりして、多様性が確保されなくなってしまう傾向にあります。

多くの意見、多様性を伴う意見を集めるためにも出た意見を否定しないようにしましょう。

また役員や威圧感のある上司(無意識も含む)が同席していると、「その人を忖度した意見」や「その人に気に入られたい意見」が出やすくなります。

自覚が無い場合もあるので職位や年齢が上の場合はしばらく中座して後で戻って様子を見ましょう。

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集めたアイデアを整理する【ブレストのルール4】

ブレストはアイデアを出しまくってスッキリするためのものではありません。

出たアイデアを整理してまとめ、さらにそこから次の議論へと繋げる必要があります。

ブレストがうまく機能しない場合に多いのが「アイデアの整理」が上手にされていないことです。

そこでKJ法や親和図法と呼ばれるアイデアの整理術を使って整理します。

KJ法や親和図法によってアイデアを整理

KJ法は川喜田二郎氏が考案した手法でその頭文字を取って呼ばれています。

ブレストで出た意見は大きめの付箋でみんなの見えるように貼っていきます(ホワイトボードに貼るのもいいですし、リモート会議の場合はMIROのようなブレスト専用のアプリを使ってもよいでしょう)。

出た意見はその属性を見ながらいくつかの大まかなグループに分けていきます。

そしてそのグループごとにさらに整理して、グループに優先順位を付けたり、そのグループ内でさらにブレストするのもいいでしょう。

付箋の場所を貼り変えたり、線で囲ってみたりするのが一般的です。

最初からKJ法を意識して付箋の色を変えるのも効果的です。

KJ法や親和図法の目的は「グルーピングされたもの」をメンバーで眺めてさらに新しい意見・視点・方向性を検討すること、一旦の結論を出すことです。

とにかく「ブレストでアイデアを発散させる→KJ法で整理して収束させる」を繰り返すことが重要です。

デザイン思考の開発フレームワークで有名なダブルダイアモンドの「アイデアの拡散と収束」の段階です。

この活動を複数回繰り返していくことによってアイデアをブラッシュアップし、次のステップへの方向性を作ったり、実行に着手すべきアイデアを揃えたり、それらに優先順位を付けます。

ちなみに親和図法(新QC7つ道具の一つ)はグルーピングした結果を視覚的にわかりやすくまとめる手法です。

QC7つ道具やQC検定に興味がある人は1冊QCの本を読んでサラッと押さえておくか、資格試験の学習資料から親和図法を勉強しておくと効果的です。
→ 「品質に関わる人におすすめ資格「QC検定」テキストや参考書も紹介」

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まとめ ブレストは収束と拡散の繰り返しが重要

KJ法や親和図法によるアイデアの整理(アイデアの収束作業)が重要であること、およびこれを繰り返していくことでブラッシュアップされていくことについて説明しました。

とくにこのステップはデザイン思考でも重要視されているので、組織的に定着できるとメンバーのデザイン思考に対する理解も深まるので効果的です。

とにかくブレストは「案をたくさん出してそれっきり」になりやすいので、そこから次のステップにスムーズに継続進展できるように意識して進めましょう。

ブレスト初回の誰かのアイデア一発でイノベーションが実現することはまずありません。

「誰かのアイデア」から連想されたもの、それを複数人でさらに発散と収束を繰り返してブラッシュアップすることによって、「まだ誰も考えていないもの、または新しい組み合わせ」にたどり着くのです。

とにかくブレストは1回で終わりがちなので、収束と発散を意識しながら複数回実施して、開発活動として継続するように舵取りをしましょう。

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