品質工学のおすすめ本 教科書や参考書も紹介
当記事は品質工学の本を探している人に書いています。
段階・目的別に本を紹介しているので、概要を理解したい人、しっかり勉強したい人もどちらも参考にしてください。
Contents【クリックできる目次】
品質工学の本を選ぶときに重要な視点
品質工学は田口玄一氏が考案した開発技法で欧米では「タグチメソッド」として有名です。
特に日本の自動車産業への影響が非常に大きく、ものづくりに関わる人なら名前くらいは聞いたことがある人も多いと思います。
体系的に品質工学を学習したい人は教科書を買って前から順に学習すればいいのですが、以下の2つの視点で実体験や実例を当てはめながら学習すると、さらに効果的です。
設計視点か生産視点か、その両方か
品質工学の特徴として、大きく以下の視点でアプローチを分けると勉強しやすいです。
- 開発・設計の視点
- 生産・製造の視点
それぞれについて説明します。
設計・開発分野の品質工学に興味がある人
品質工学における重要なポイントとして、パラメータ設計(冗長設計やロバスト設計とも呼ばれる)があります。
設計・開発に関わる人はこの分野が特に学ぶべき重要な分野です。
この分野は「オフライン品質工学」と呼ばれ、目的とする機能に影響を与える制御因子の影響度について明らかにしていき、設計の冗長性(どの程度影響を受けるか、または受けないか)を把握していく分野です。
田口玄一氏の有名な言葉で、
「品質が欲しければ、品質を測るな。機能性を評価せよ」
という言葉があります。
開発・設計分野の人はこのような視点で品質工学の学習を進めると、自身の経験と重ねることができて腹落ちしやすいです。
開発・設計関連の人はこちらの本から学習を開始すると、自業務の視点と重ねて考えやすいと思います。
生産・製造分野の品質工学に興味がある人
生産・製造に関わる人に重要なのが「オンライン品質工学」と呼ばれる分野です。
品質の特性、例えば出来栄え寸法のばらつきを見ながら、生産条件の個々の設定値や設備の設定についてイメージするとわかりやすいと思います。
これらの許容差について把握していくとともに、方法論としてフィードバック制御や予防保全などについても学習が必要となってきます。
わかりやすく言うと、「お客様(ユーザ)に届いてからの品質影響を少なくする」という考え方です。
設備関連に関わる人は信頼性工学と一緒に学習すると、さらに理解が深まると思います(時系列と故障の関係、バスタブ曲線など)。
生産・製造関連の人におすすめの本がこちらです。
設備の設計・開発・保全などに関わる人は、並行して信頼性工学を学習すると理解が深まり相乗効果があります。
品質工学の概要を把握したい人のおすすめ本
とりあえず、設計とか生産の前に「品質工学ってどういう風に使うの?」のように概要を把握したいならこちらがおすすめです。
体系的に品質工学の学習を始めたい人のおすすめ教科書
教科書として学習を始める人におすすめがこちらです。
まとめ
品質工学については、内容も難しく、書籍もわりと特化した項目が例に挙げられていることが多いので、1冊ですべてを理解することは難しいかもしれません。
書籍によっても「事例はこの書籍がわかりやすい」、「SN比の説明はこの書籍が良い」などなど、特徴があるので、1冊で挫折しそうなときは発行年度が近年の本をもう一冊購入すると、理解の助けになると思います。